ゼネコンは、もはや時代遅れの「ビジネスモデル」ではないのか―。東京大学のオープンレクチャーでそう講演させてもらってから10年以上が経過した。私が言うビジネスモデルとは、発注者から請け負って建設工事を行う「ゼネコン=General Contractor(総合請負人)」という業務形態のことである。週刊東洋経済の2022年2月12日号が掲載した特集「ゼネコン四重苦」の中で、大成建設の山内隆司会長は「足元の受注競争が厳しくなっているのは、業界が『元の状態に戻っただけ』ともいえる」と語った。2011〜20年の東日本大震災の復旧・復興需要、2015〜19年の東京五輪特需を享受しただけで、この10年、ゼネコンというビジネスモデルの変革は進まなかったのか。当時(2010年11月)の講演録をそのままアーカイブとして掲載する。本来なら情報をアップデートする必要があると思うが、その点はご容赦いただきたい。