東京・港区の虎ノ門エリアで大規模再開発ビルが相次いで着工する。森ビルは1月18日、虎ノ門ヒルズの「森タワー」=模型写真中央=に隣接する「ビジネスタワー」=同左=が2月に、「レジデンシャルタワー」=同右=が3月に着工すると発表。野村不動産を中心に進めている「虎ノ門駅前地区第一種市街地再開発事業」も、昨年12月から解体工事に着手し、1月13日に権利変換計画の認可を得た。竣工予定はビジネスタワーが2019年12月、レジデンシャルタワーが2020年4月、虎ノ門駅前開発は2020年6月。それにしても、ビジネスタワーの施工者に西松建設の名前がないのはなぜだろうか?

 森ビルは18日に、ビジネスタワーの起工式を実施。辻慎吾社長はあいさつで「虎ノ門エリアが『国際新都心・グローバルビジネスセンター』に進化していくためのカギとなる、重要なプロジェクト」と述べた。

 ビジネスタワーは、約9万4000平方メートルの貸床面積の大規模オフィスと約6300平方メートルの商業施設を配置するオフィスタワーで、1階にはBRT(バス高速輸送システム)が発着可能なバスターミナルを設置する。建物概要は地上36階地下3階で、敷地面積約1万平方メートル、延床面積約17.3万平方メートル。施工者は大林組、きんでん、三機工業、斎久工業。

 レジデンシャルタワーは、地上54階地下4階で、約550戸のレジデンスを提供する。住宅棟としては日本一の高さ(約 220m)になる予定。敷地面積6530平方メートル、延床面積12.1万平方メートル。施工者は竹中工務店。

 筆者は起工式に出席できなかったが、虎ノ門地区再開発の共同事業者で、ビジネスタワーの敷地に本社を置いていた西松建設が施工者に入っていないことにちょっと驚いた。

 2014年10月に東京・飯田橋の本社跡地を含む再開発事業を完成させた前田建設工業の場合、施工は前田建設と鹿島のJVだったし、2016年から東京・京橋の本社跡地を含む再開発事業に着手した戸田建設も、施工は戸田建設が行うことになっている。

 西松建設は、もともと土木が得意で、超高層ビルの実績が少ないとは言え、準大手ゼネコンとしては寂しい限り。

 虎ノ門駅前地区第一種市街地再開発事業は、正式な着工時期など詳しい内容がまだ公表されていない。建物概要は地上24階地下4階で、敷地面積約2782平方メートル、延床面積約4万7470平方メートル。虎ノ門ヒルズに比べて規模は小さいものの、地下鉄広場などの整備も行うため重要なプロジェクトであり、工期もかかりそう。さて、こちらの施工者はどこになるだろうか。

<後日談>建設工事受注よりも優良な資産形成を優先―西松建設・近藤晴貞社長(2017-01-27)

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