【IT】ソニーの土井利忠氏をNECの水野幸男氏に引き合わせた日のこと―UNIXワークステーション『NEWS』の結末(2008-06-8)

 今月4日に設立20周年を迎え、ソニー本社で記念シンポジウムが開催された「ソニーコンピューターサイエンス研究所」を設立したのは、ロボット犬「AIBO」の開発者として有名な土井利忠氏である。06年5月にソニーを退職して7月には生前葬を執り行っているので、いまは天外司朗氏と名乗っているようだ。私が最後に土井さんに会ったのは、92年にNECとソニーがUNIXワークステーションで業務提携した時のこと。手元にはソニーのUNIXワークステーション「NEWS」の足跡を独自にまとめたレポートSONY『NEWS』の戦略」(1989年3月20日執筆)が残っている。土井さん自身もあまり語っていないNEWSの歴史を目撃者として記録しておく。 続きを読む

【IT】JR東日本、スイカイオカードのサービスを予告なしに3月末で打ち切り―電子マネーの使途をどう証明するのか?(2008-04-11)

s-img017.jpg JR東日本は、電子式プリペイドカード「スイカイオカード」(旧型カード)の使用を、利用者への予告なしに3月末で打ち切っていた。スイカイオカードの利用者である私自身が体験した。JR東日本では電子マネー機能付きの新型カードに無償で切り替えているので問題ないという立場だが、電車運賃だけに利用できるスイカイオカードのチャージ領収書を取材交通費の経理処理に利用するため、わざと電子マネー機能を外してきたのに、余計なお世話である。確かにSuicaはJR東日本という民間企業が提供しているものだが、いまや社会システムとして定着したサービスだ。領収書の取り扱いも考慮できない企業に、電子マネーのような重要な社会システムの構築を任せて大丈夫なのか?
――コラム「電子マネーとは何ぞや?」で電子決済と領収書について考察していますので、お読みください。 続きを読む

【IT】雲を掴め/富士通・IBM秘密交渉を読んで―歴史的な意味をどう考えれば良いのか?(2008-03-20)

s-IMG_1885.jpg 伊集院丈氏こと、鳴戸道郎・富士通元副会長が昨年11月に出版した「雲を掴め/富士通・IBM秘密交渉」(日本経済新聞出版社)を読んだ。最後に伊集院さんにお会いしたのは2002年だったと記憶しているが、いずれ自ら本を執筆するのではないか?との予感はあった。私自身も取材に奔走した歴史的な事件について当事者から語られたことに感慨深いものを感じる。その後、両社の交渉が最終決着したのが1988年11月で、今年はちょうど20年目の節目だ。日本のIT産業が置かれている現状を考えるとき、この歴史的な事件をどのように位置づければよいのだろうか?

写真:本の上にある黒い円筒形に物体は、伊集院さんにいただいた富士通製汎用コンピューター用の半導体チップ

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【IT】NEC社長の故・関本忠弘氏から広告出稿停止の圧力がかかった日のこと―記事「98帝国が崩壊する日」後日談(2007-12-02)

 NEC社長を1980年から14年間務めた関本忠弘氏が11月11日に死去した。私も関本氏には何度か取材していろいろな思い出がある。とくに90年10月に日本工業新聞(現・フジサンケイビジネスアイ)に掲載した記事「98帝国が崩壊する日」では関本さんから猛烈な抗議を受け、広告出稿を全面停止するという圧力までかけられた(最後は何とか回避されたが…)。死去された方のことをどこまで書いて良いものかはいつも迷うところだが、この期を逃せば書き残す機会を逸してしまうだろう。事実関係を記録しておく。

 

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【IT】グローバル企業がめざすウェブ戦略とは?―日本IBMのウェブサイトがグッドデザイン賞2007を受賞(2007-10-06)

s-071008IBMJapanWebSite.jpg  私がコンテンツ制作などで協力している日本IBMのウェブサイトが10月1日に発表になった「グッドデザイン賞」を受賞した。私の顔写真も同サイトにしばしば掲載されているので、気付かれていた方もいたかもしれないが、企業がウェブサイトを「メディア」としてどう活用しようとしているのかを体験させてもらっている。グローバルな視点から経済・社会にどのようなイノベーションが起こるのかを予測し、世界のThought Leadershipを引っ張っていこうとするIBMの取り組みは、日本企業が世界で戦っていくうえでも必要なことかもしれない。
  
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【IT】3次元キャラクターでヒューマンインターフェース革命をめざすエイチアイの川端一生社長(2007-09-28)

s-IMG_1463.jpg 人間、年を取るほど機械のボタン操作が億劫になるものだ。急速に少子高齢化が進むなかで、効率化のためのITツールをどうしたら高齢者にも使ってもらえるようになるのか?と思い悩んでいたら、3次元キャラクターを携帯電話の画面上で動かす3Dグラフィックエンジン「マスコット・カプセル」を開発したエイチアイ(HI)の川端一生社長をインタビューする機会があった。3次元キャラクターを使って人間と機械とのインターフェースに革命をもたらそうと情熱を燃やしている。

 ―記事は、フジサンケイビジネスアイとアントレプレナーが提供する起業家応援サイト「アントレステージ」でお読みください。

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【IT】17年前のGWに起きた日本初のコンピュータウイルス事件(2007-05-08)

nihongoword インターネットサービスプロバイダーのニフティから入会17周年の「ありがとうメール」が5月2日に届いた。顧客リストから自動的にメールを送信する仕組みができているのだろうが、受け取るたびに電子メールを使い始めた当時の忘れられない出来事を思い起こさせる。ちょうど17年前のゴールデンウィーク中に、日本で初めてコンピューターウイルスに関する事件が新聞で大きく報じられた。その取材をしようと、電子メールを初めて利用したからだ。
 写真:私が初めて電子メールを送信した日本語ワープロ「文豪ミニ7HG」(NEC製)

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【IT】IT記者会、産業比較「情報サービス・ソフトウェアvs建設」の小冊子を頒売(2007-03-15)

ITkisyakai 有限中間責任法人IT記者会(代表・佃均氏)が発行するIT記者会レポートに昨年10月から掲載していた論評「産業比較・情報サービス/ソフトウェアvs建設」(筆者・千葉利宏)が小冊子にまとまり、頒売されることになりました。
 A4版42頁で、1部2100円(送料込み)。表紙は、佃代表が撮影した写真「駒ヶ嶺から望む富士山〜あの峰を目指せ〜」を使っています。
 佃代表のご好意で、小冊子として頒売していただけることになったのは、誰もがあまり論評しそうもない(論評してもカネにならない?)産業構造に関する考察を、今後とも継続していけ!との激励と受け止めて取材していきたいと思います。ぜひ、お読みいただいて、ご意見等をお寄せください。
 申し込みは、FAX:03-3519-6031またはe-mail:y-gaya@itkisyakai.jpまでお願いいたします。

【IT】産業比較:情報サービス・ソフトウェアvs建設(2006-12-02)

 有限中間責任法人IT記者会の機関紙「IT記者会Report」(2006-11-15号)にレポート「産業比較:情報サービス・ソフトウェアvs建設」の第1回が掲載されました。IT記者会の佃代表幹事の依頼で、IT業界向けに、類似性が高いと言われる建設業の産業構造について執筆したものです。続きは次号以降に掲載される予定ですが、ご参考までにレポートの目次を紹介します。
【目次】
(はじめに)
第1章 情報サービス・ソフトウェアと建設―その共通性に関する仮説
第2章 建設業の産業構造の変遷
      <建設請負業の成り立ち>
      <建設業法の制定>
      <重層下請け構造の変遷>
      <建設業の産業構造と政府の存在>
第3章 『生産システム』の視点から見た産業構造のあり方
      <自動車産業における下請け構造=系列化>
      <系列が希薄な建設業の下請け構造>
      <情報サービス・ソフトウェア産業の「生産システム」とは?>
第4章 「カネ」の流れからみた「生産システム」と「サービスモデル」
      <カネの流れから見た生産システム>
      <「カネ」の流れから見たサービスモデル>
(おわりに)

 同レポートは、IT記者会のホームページ(http://www.itkisyakai.jp/)で読むことができます。ぜひ、お読みください。

【取材日誌】SEATEC2006で見た日本のIT戦略(2006-10-07)

seatec2006 IT・エレクトロニクスの総合展示会「SEATEC JAPAN2006」が、今年も千葉市・幕張メッセで10月3―7日に開催された。メディアなどでスポットが当たるのは、大型液晶&プラズマテレビや新型携帯電話、ロボットなどだが、ユビキタス社会の実現に向けて取り組まれている「ITプロジェクト」展示に注目しながら、会場を回ってみた。

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【IT】挫折から学んだ人生哲学を実現した「Q&Aサイト」ナンバーワン企業(2006-07-21)

OKWaveKanemoto 2年間のホームレス生活を経て起業した会社が06年6月に名証セントレックスに上場―そんな成功物語でマスコミから注目される兼元謙任・オウケイウェイヴ社長にインタビューしました。
 何かと、楽して金儲けする話や、既得権益を守る話ばかりが多い昨今、久々に「志(こころざし)」ある話でした。

 ―記事は、フジサンケイビジネスアイアントレプレナーが提供する起業家応援サイト「アントレステージ」でお読みください。

【IT】ソニー最高顧問出井伸之氏インタビュー:e-Japan戦略の舞台裏を語る「IPv6に向けたインフラ整備を」(2006-01-09=BCN掲載)

idei e-Japan戦略に計画立案から携わり、5年間に渡って日本のIT化を引っ張ってきた。世界から大きく出遅れていたITインフラ整備を推進し、わずか5年で世界最高水準のインターネット環境を実現した功績は大きい。昨年5月にIT戦略本部本部員を退任しe-Japan戦略が区切りを迎えるのを機に、これまであまり語っていないe-Japan戦略のエピソードを含めて、この5年間を振り返るとともに、今後のIT戦略の課題と展望を語ってもらった。
BCNでは紙面の都合上、割愛したインタビュー部分(青字)も掲載しました。プロフィールは記事掲載当時のものです。

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【IT】日本のITの歴史―SONY『NEWS』の戦略(6)(1989-03-20)

2・3ソニーの販売戦略

 社内ベンチャーとして86年5月に誕生したスーパーマイクロ事業部(現事業本部)は、社長直轄のチームとして活動を開始したが、土井氏は当初から「ソニーの資産には基本的に頼らない」との方針を打ち出した。もちろん生産設備や、人材などはソニー内部から調達したわけだが、その調達も全くゼロから事業部がお膳立てし、製品を販売するにあたってソニーの持っている代理店や営業部隊などの販売網を使わず、独自に販売網を構築したという具合だ。

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【IT】日本のITの歴史―SONY『NEWS』の戦略(5)(1989-03-20)

2・2ソニーのマーケティング戦略(続き)

【AXパソコン】

 オフィス処理の革新を達成するためにどうしても必要なツールがパソコンだ。エンジニアリング分野ではNEWSの100万円を切る価格で十分一人一台の環境を実現することは可能だが、オフィス分野ではまだ高い。オフィスにおける一人一台の端末としてはパソコン、ワープロで十分であり、問題はどのようなパソコンを製品化するかに絞られていた。

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【IT】日本のITの歴史―SONY『NEWS』の戦略(4)(1989-03-20)

2・2ソニーのマーケティング戦略(続き)

【デスク・トップ・パブリッシング(DTP)】

 そこで問題となるのは、NEWSに何を乗せるかであったが、ソニーはちょうど米国で市場が立ち上がりつつあったDTPにターゲットを絞った。DTPは、米国ではパソコンクラスのマシンを使っても実現されていたが、漢字という複雑な文字を扱わなければならない日本語DTPではパソコンだと能力不足で、かといってオフコン、ミニコンクラスを使うとなるとコストが高くなってしまう。

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【IT】日本のITの歴史―SONY『NEWS』の戦略(3)(1989-03-20)

2・2ソニーのマーケティング戦略

 ソニーがNEWSを製品化してまず狙ったターゲットが、CASE(Computer Aided Software Engineering)である。ソフトウェアの開発では徐々にWSにツールを使った環境が導入され始めていたが、まだまだWSが高すぎたために本格的に利用するまでには至っておらず、ツール類も十分に整備されていなかった。そのため、85年からシグマ計画がスタートしていたわけで、国産メーカーはいつものことながら通産省の言うことを鵜呑みしてわが国のCASE市場がシグマ計画の沿って動いていくものとみていた。

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【IT】日本のITの歴史―SONY『NEWS』の戦略(2)(1989-03-20)

2.ソニーのコンピューター事業戦略

 ソニーのエンジニアリングワークステーション(EWS)「NEWS」が100万円台というセンセーショナルな価格設定で登場したのは、1986年9月であった。その直後に開催されたデータショウ86に大々的にNEWSが出展され、大きな話題を集めた。

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【IT】日本のITの歴史―SONY『NEWS』の戦略(1)(1989-03-20)

 ソニーのコンピューター事業と言えば、ゲーム機の「プレイステーション」やパソコンの「VAIO」を思い浮かべるかもしれないが、かつてUNIXワークステーション「NEWS」をヒットさせた輝かしい歴史があった。下記のレポートは、コンピューター担当記者時代にまとめたものである。当時は外部公表する予定はなく面白半分に書き始めたので、かなり不適切な表現もあるが、当時の感覚を尊重して、そのまま掲載することにする。原稿用紙で50枚はある長文なので、何か時間があるときにでもお読みいただければ幸いである。 続きを読む