人間、年を取るほど機械のボタン操作が億劫になるものだ。急速に少子高齢化が進むなかで、効率化のためのITツールをどうしたら高齢者にも使ってもらえるようになるのか?と思い悩んでいたら、3次元キャラクターを携帯電話の画面上で動かす3Dグラフィックエンジン「マスコット・カプセル」を開発したエイチアイ(HI)の川端一生社長をインタビューする機会があった。3次元キャラクターを使って人間と機械とのインターフェースに革命をもたらそうと情熱を燃やしている。
―記事は、フジサンケイビジネスアイとアントレプレナーが提供する起業家応援サイト「アントレステージ」でお読みください。→MKSアーカイブとして未来計画新聞内に「
記事
」を再録しました。(2009-12-05)
 2001年に政府がe-Japan戦略をスタートしたあと、これまでITには無縁だった高齢者の方もパソコンやインターネットを利用しようと努力してきた。しかし、インターネットの利用率を見ても、20、30、40代は9割を超えたが、60代を過ぎるとガクッと低下。デジタルデバイド(情報格差)を埋めるのは簡単ではなかった。
 「パソコンを使い慣れた世代が高齢化すれば、デジタルデバイドも時間とともに縮小する」―この問題については、そんな楽観的な声も聞くが、果たしてそうだろうか。
 いまや、人生90歳ぐらいまでは元気に生きる時代である。しかし、いくら元気でも視力は低下するし、耳も遠くなるし、指先も細かな作業は苦手になる。いまのパソコンや携帯電話の操作環境では、いくら若い頃は簡単に使えても、高齢化したときに同じように操作できるとはとても思えない。
 私が参加している日本不動産ジャーナリスト会議の運営をITを使って効率化するために、60代、70代の先輩諸氏にはいろいろ無理を言ってITを使うようにお願いしてきた。60代前半の地方議員の方にブログを立ち上げてもらおうとお膳立てを進めてきた。いろいろ試してみて判ったのは、そう一筋縄で解決する問題ではないということだ。
 2011年の地上デジタル放送への全面移行で、テレビもインターネット時代に入ると言われているが、いまのテレビのリモコンですら使いこなすのが難しい。テレビにインターネットが接続するようになっても、誰もが簡単に利用できる環境が実現できるのかどうか。少子高齢化社会のデジタルデバイドを縮小するにはヒューマンインターフェース部分で、何らかのブレークスルーが必要であることは間違いないだろう。
 以前に
「『使いたい』電子政府の実現を」
と題したコラムで、遠隔操作とエージェット機能を使った相談型オンラインシステムみたいなアイデアを書いたことがある。高齢者にとっては人に頼むのが一番楽だし、一人暮らしの場合などには気分も紛れるだろうと思ったからだ。
 果たして3次元キャラクターと人工知能の技術を使って、高齢者にも使いやすいヒューマンインターフェースが実現できるのだろうか。少子高齢化社会に貢献するITを川端社長にはぜひ実現していただきたいと思った。

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