「透明性の確保」とは、ヒト、モノ、カネの『情報』がキチンと整備され、かつ更新されている状態にあり、その情報にいつでもどこからでもアクセスできることを意味する――。これが私なりの「透明性の確保」の定義である。さらに、ここで言う『情報』にも、様々なレベルがあり、建設プロジェクト単位の情報から、工種ごとの情報、産業全体の情報までその範囲は広い。

 『建設業に携わる人たちが、誇りを持って、それぞれの技術や技能を発揮し、その正当な対価を得られる“真っ当な産業”に再生する』―建設業を再生するには、それ以外に道はない。いまの建設業が「真っ当ではないのか」と反発されそうだが、世間一般でそう受け止められていることは残念ながら否定できないだろう。無理難題ばかりの発注者、請け負け(うけまけ)体質が染み付いたゼネコン、談合体質の抜けない下請業者、そして建設業にパラサイトしてきた政治家など―とても真っ当な業界とは思えない状況を生み出してきたのは、建設業に関わってきた人たちの連帯責任である。

 不良債権の最終処理で発生する建設業の雇用問題は、建設投資の総額が維持されている限り、かなりの混乱が生じたとしても、いずれ吸収されていくことになる。しかし、景気後退や公共事業費削減で建設投資額そのものが減少していけば、雇用吸収力そのものが奪われてしまい、雇用問題が深刻化することは避けられない。建設業にとって不幸なのは、不良債権の最終処理と、建設投資の減少が、同時期に訪れてしまったことだろう。

 「官僚に、現状を打開するような画期的な施策を求めたって無理だよ。政治家や学者、それにジャーナリストといった人たちが本来、果たすべき役割じゃないの?まあ、そういう人たちだって全く機能していないしねえ…」―つい最近のこと、国土交通省の大物OB氏と議論していると、官僚バッシングにはもう辟易したって様子で、そんな言葉が飛び出してきました。

 インターネット上でも、あまり好ましいことではないでしょうが、まず蔑称(べっしょう)の話から。新聞は、非常に差別用語に敏感です。現在では読者があまり気にも留めないと思われる用語でも自主規制して使わないぐらいですから、私もこんな話題を書いたことはなかったのですが…。

 世の中、すっかり“デフレ”気分が蔓延しているようだ。新聞や雑誌でも、デフレがいろんな切り口で取り上げられ、この調子でいくと今年の流行語に選出される可能性も高そう(?)である。しかし、こと建設業界では、「デフレ=建設費の下落」は今に始まった話ではない。バブル崩壊後、ずーっとデフレ状態が続いていると言えるだろう。90年代半ばまでは、バブル期に建築費が高騰した反動による価格調整の色合いが濃かったが、その後も建設市場が縮小するなかで、建設業者数が減らないために過当競争が起こり、建設費が下落し続ける状況を生んでいる。
 不動産投資信託(J-REIT)の上場に向けて、名乗りをあげる不動産ファンド(投資法人)が相次いでいる。すでに三菱地所、三井不動産、森トラスト、東京建物の大手不動産会社4社がそれぞれ、生保やゼネコンなどと組んでファンドを組成することを表明。早ければ、5月の連休明けにも初の上場ファンドが登場する見通しだ。(注・実際にJ-REITが上場したのは2001年9月10日だった)

 歴史に残るような建造物を設計・施工する―建築家なら、そんな想いを作品に込めながら仕事をしているのかもしれません。専門家向けの建築雑誌などを見ると、毎月数多くの作品が掲載され、作品に対する想いが熱く語られています(ただ、そうした想いが、一般の人々にどこまで理解されているかは、はなはだ疑問ではありますが…)。

 建設資金を誰が、どのような目的で投資するのか。それによって発注者が大きく制約を受けるのは、何も民間企業に限ったことではない。財政悪化を背景に、地方自治体が積極的に導入しようとしているPFI(民間資金を活用した社会資本整備)事業を通じて、公共工事にも「投資」という考え方が影響を及ぼし始める可能性がある。
 建設プロジェクトの発注者が、昔ながらの「施主」と、採算重視の「投資家」の大きく二つのタイプに分かれてきている。この違いは、なぜ生じてきたのか。建設プロジェクトに投入される資金の出所とその性格が、ここに来て大きく変化しようとしていることが原因だ。
 日本の建設業界には、前近代的な言葉が現在も数多く残っている。その象徴的な言葉が「施主」ではないだろうか。施主=「施(ほどこ)す主(あるじ)」。漢字だけを読めば、発注者に対して必要以上にへりくだった印象を受ける。一般的に使われている「お客様」という言葉にはない「卑屈さ」さえも感じられる。

 「建築家って、何をする人なのでしょう?」―ジャーナリストというのも、今ひとつ判りづらい職業ですが、建築家も、よくよく考えてみると、非常に謎に包まれた職業であるような気がしてきます。建築関係者以外の人に冒頭の質問をしたら、最も多い答えは、きっと「建築設計図を書く人」くらいかもしれません。ただ、えらい建築家の先生が実際に図面を引いているなんて、あまり聞いたことがありませんが…。

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