(財)住宅金融普及協会のホームページのコラム「ジャーナリストの目」に掲載した記事「ユビキタス住宅とは?」が、日本不動産ジャーナリスト会議(REJA)の公式サイトに再録されました。家の維持管理データを収集する観点から、あらゆる住宅部材にICタグを取り付けて管理することを提言した原稿です。
 今年から(財)ベターリビングが、ICタグを住宅用部材に貼り付けて登録するサービスを開始しました。5月に自民党が打ち出した「200年住宅ビジョン」でも維持管理のための「家歴書」の導入を提言しています。住宅に長く快適に住み続けられるようにするのに、どのような維持管理の情報が必要なのかを十分に検討したうえで、消費者にとって有益な仕組みを構築することが必要だと思われます。
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 「木造在来住宅なら築20年で資産価格はゼロ」―最初からそう決まっていたら、どんな家づくりをしようと思うでしょうか?

 「おカネがかかっても、自分の理想の家をつくる」という方も多いとは思います。しかし、なかには「じゃ、そんなにおカネをかけるのはもったいない」と思う方もいらっしゃるかもしれません。

 ほとんどの方は売るときのことを考えて家づくりをしているわけではないでしょうから「20年で資産価格ゼロ」と言われても、ピンと来ないと思います。ところが、この「20年」という数字は、日本の家づくりに大きな影響を及ぼしてきたのは間違いないのです。

 家の資産価値をご存知ですか?

 住んでいる家の現在の価値がどのくらいあるのかを聞かれて、すぐに答えられる人はほとんどいないかもしれません。家を建てたときに、全部でいくらかかったかであれば答えられるでしょうが、現在の資産価値となると知らないのが普通でしょう。

 実は、日本では、企業ですら、つい最近まで資産価値を簿価(取得時点の価格)で評価し続けてきました。地価が上昇している局面では簿価のままでも問題はあまり生じないのですが、逆にバブル期に高値で買った不動産が地価下落で巨額の含み損を抱えていても、簿価で評価している限り損失は表面化しないことになり、財務の健全性が損なわれることが判ってきました。

 家とは、何なのでしょうか?

 突然、そう聞かれたら面食らってしまうかもしれませんが、家とは「人が住むための建物」―岩波書店の広辞苑を引けば、そう書かれています。それ以外に「家庭」、「祖先から伝え継がれる血族集団」、「家産、家の財政」という意味も書いてありました。

 確かに家とは、人が住むための建物なのですが、そこに「家庭」と「家財=資産」という大きな2つの要素が加わったものではないかと思うのです。

「住宅すごろく」という言葉をご存知ですか?

 まず、結婚して独立した当初は賃貸住宅。そこで頭金をためてマンションを買う。それからマンションを売って、郊外に一戸建て住宅を建てて、最終目標を達成して、“上がり”。そんな過程が、すごろくに似ているから名付けられたのでしょう。

 最近では、かつての「夢の郊外一戸建て」を売り払って、都心居住のマンションへと住宅すごろくの“上がり”も変りつつあるようですが、そもそも「住宅すごろく」という言葉自体が、バブル崩壊によってすっかり使われなくなってしまいました。

「なぜ、家をつくるのですか?」そう質問をされたら、どう答えますか?

「賃貸住宅に住む家賃を払うのがもったいないから…」
「家賃並みで住宅ローンを借りることが可能だから…」
「自分で好みの家が持ちたいから…」
「マンションを買うより、土地付き一戸建ての方が資産価値が高いから…」

 それぞれにいろいろと理由はあるでしょう。「親の介護をしなければならなくなったから…」という方もいるかもしれません。いずれにしても、住宅ローンを借りられることを含めてある程度の資金力があれば、「家を建てるのは当たり前のこと」と考える人は多いのではないでしょうか?

 「家づくり」には、とにかくお金がかかります。

 「家は、人生で最も高い買い物」とか、「家を建てることは人生最大の仕事」とか、家がいかに高価であるかは、今さら説明する必要もないでしょう。それだけ高価な家を手に入れるために、大多数の方(私自身もそうですが…)は巨額の住宅ローンを背負うことになるわけですから、「できるだけ良い家がほしい」、「長く住み続けられる家にしたい」と、思わず肩に力が入ってしまうのも当然です。

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