【建設】縮小する公共事業をどう分け合うか?―建設業者の企業評価を見直しへ(2010-02-25)

 国の公共事業費の大幅削減が進むなかで、少なくなったパイをどのようなルールで分け合うのか―。その鍵を握る国土交通省の直轄事業における公共事業の品質確保の促進に関する懇談会の企業評価検討部会が2月24日に発足し、第1回会合が開かれた。09年4月に改定された09・10年度技術評価点による企業評価を検証したあと、11・12年度の改定について話し合う。先の改定ではCランク業者がDランクに落ちるなどのランク変動が多く発生。それを救済する経過措置が取られたが、来年春の改定では経過措置も廃止される見通し。今後の見直し次第で、建設業者の仕分けが加速することになりそうだ。

直轄工事の競争参加登録業者数が2年前に比べて8.9%減少

 国土交通省の直轄工事は、WTO(世界貿易機構)の政府調達規定に基づいて実施される契約金額が7億3000円以上(地方は24億3000万円以上)のWTO案件のほか、契約金額の大きさに応じてA、B、C、Dの4ランクに分かれて発注される。一方、建設業者も競争参加資格者審査によってA〜Dの4ランクに分けられ、Aランク業者はAランク工事、Cランク業者はCランク工事の競争入札にそれぞれ参加できる仕組みだ。

 競争参加資格審査は、企業の経営状況などで審査する経営事項評価点数と技術評価点数の総合点数でランク分けされ、技術評価の算定式は2年ごとに改定される。現在、適用されている09・10年度の算定式は、受注した工事の金額の大きさよりも工事成績が反映されやすくし、入札実績のない業者(技術評価点0点)は最下位ランクに位置づけることにした。その一方で、直轄に加えて都府県の工事成績を加算した。より多くの工事を受注して良い工事成績を上げた業者が評価され、直轄工事の実績はなくても、地方自治体工事などで良い成績を上げた業者の新規参入を促すようにした。

 09・10年度の競争参加資格者名簿登録数は、北海道、沖縄を除く全国8つの地方整備局の合計で4万6255業者と、2年前の更新時に比べて8.9%、4497業者減少。直轄工事の分野では、建設業者の淘汰が大きく進んだことが明らかになった。さらに算定式変更などの影響で、ランク変動も多く発生。関東地整の登録業者では、前回Aランクだった業者38社のうち6社がBランクに落ち、Bランク業者53社では6社がAランクに、17社がCランクに変動した。

専門性の高い業者の技術評価順位がアップ

 先の算定式改定では、1件当たりの工事受注金額は小さいものの、得意分野を絞って受注件数を多く獲得している専門性の高い業者の順位が、準大手クラス、さらには大手を上回る評価点数を獲得したのが目を引く。工事受注額では大手に、受注件数では専門業者に勝てない準大手、有力ゼネコンにとっては厳しい審査結果となった。

 また、ランク変動を救済する経過措置の適用を受ける企業もかなりの数に上った。中国地方整備局では、Cランク業者396社のうち、166社、九州では679社のうち105社がDランク判定からの救済となった。直轄工事では、Cランク工事を全体の件数の7割、金額の5割発注しているためだが、来年春に経過措置が切れてランク落ちになると受注機会が大幅に減る業者も出てきそうだ。

 逆に関東では、Bランク業者80社のうち、26社がCランクの経過措置適用を受けた。同様にCクラス工事の発注量が多く、Cランクに留まった方が受注機会が多いとの思惑が働いているためとみられる。公共工事のパイが減るなかで、どのクラスの建設業者にどれだけの工事を配分するのか、建設業者の企業評価をどのように行うのかは、今後、様々な議論を呼ぶことになりそうだ。