住宅金融公庫の外郭団体である(財)住宅金融普及協会が2005年度からスタートした認定資格制度「住宅ローンアドバイザー」の06年度後期養成講座を受講した。8割以上の受講者が合格できるだけあって、23日の合否判定で私にも無事に合格通知が届いた。社会人になっても”資格”とは全く無縁に過ごしてきただけに合格通知を受け取るなど、大学受験以来の椿事である。資格取得も自分の知識を体系的に整理するのとボケ防止(?)に有効かもしれない。
 住宅ローンアドバイザーの養成講座を受講した理由は3つある。第1に、私が幹事を務める日本不動産ジャーナリスト会議の事務局を住宅金融普及協会にお願いしてお世話になっており、同協会が力を入れて立ち上げた事業を記事に取り上げる場合も実際に体験すれば役に立つと考えたこと。もちろんPR記事を書こうというわけではないが、住宅ローンに関するリスクを消費者に判りやすく説明する役割を誰かが担っていく必要はある。
 第2に、自分自身が住宅ローンに関する知識を改めて整理しようと思ったこと。建築家と工務店のネットワークで家づくりに取り組んでいるアーキテクツ・スタジオ・ジャパン(株)の情報サイト(http://www.asj-net.com/)でコラム「家づくりの経済学」を連載し、住宅ローンに関しても論評してきたが、実際に消費者にアドバイスする実務の視点も加えれば幅が出ると考えた。
 第3に、住宅ローンアドバイザーがどのような役割を担っていくように養成講座のカリキュラムがつくられているかを知りたかったこと。実際に住宅ローンアドバイザーを受講する人の多くは、不動産会社や住宅会社など住宅を”売りたい”立場の人たち。アドバイスを求めるのも、住宅ローンを”借りたい”消費者であり、知りたいのはローンの借り方だろう。その中で、いかに住宅に関するリスクを伝えていくかが重要である。
 養成講座は初日が基礎コース、2日目が応用コースで、それぞれの最後に効果測定(制限時間:30〜40分)が行われる。○×式で答える文章題と、住宅ローンに関する計算問題10問が出題されたが、試験で計算問題を解くなど学生時代以来のこと。最初は戸惑ったが、元は理数系の人間なので、計算問題は嫌いなわけではない。ただ、昨年暮れに手術した急性膿胸が発症した時期で胸の痛みが辛かったが…。
 養成講座の内容は、住宅ローンの金利や返済方法などの基礎知識、税金、住宅ローンの計算方法、繰上げ返済や借り換えの効果などなど多岐に渡り、住宅ローン商品のリスクと注意点についても詳しく解説している。ただ、住宅そのもののリスクについては、住宅ローンとは直接関係ないためか、地震保険なども詳しく説明されていない。耐震偽装事件でも明らかになったように、今後は住宅のリスクを金融の面からもカバーしていく必要性が出てきており、住宅ローンアドバイザーとしても対応する必要があるだろう。

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