急性膿胸の手術のあと退院して最初の外来診察を受けた。退院後も、手術痕の痛みがいっこうに改善されず不安もあったが、診断結果は「順調に回復しています。全く問題はありません」。順調に回復しているのに、なぜ、夜も眠れないほどの痛みが続くのか―。そんな疑問に「胸の手術は痛むものなのです」。先生、最初に説明してくださいよ…。
 年末ギリギリの退院だったこともあり、手術後の病状に関する詳しい説明もないまま、慌しく自宅に戻った。膿胸による肺の痛みはすっかり良くなり、このまま順調に快方に向かうものだとばかり考えていた。
 ところが、手術の傷痕の痛みがいっこうに消えてくれない。痛み止めの座薬を使わないと、夜も眠れないほど。心配性の女房などは「こんなに長い間、痛みが続くなんて、おかしいよ」と、オロオロするばかり。「年末年始の5日間ぐらい我慢していれば、良くなるさ」と楽観的に考えていた私も、さすがに不安になっていた。
 人間誰しも、原因や理由が判らないと不安に陥りやすくなる。患者には「病気回復」=「痛みや熱など病状の改善」との思い込みがあるので、退院前に一言「かなり長い間、痛みが続きますよ」との説明があれば、心構えも違っていたはず。本日の説明で、女房ともども、ようやく不安から解放された。
 手術では、肋骨の間から内視鏡を胸部に挿入して膿をかき出したわけだが、その時に肋骨の間を走っている肋間神経をどうしても損傷してしまうらしい。これが痛みの原因で、回復には個人差はあるものの3カ月ぐらいかかる場合もあるという。
 「肺がんなどで胸を大きく切開した場合には、痛みが何年も続く患者さんもいますし…」。
 どうやら、私の認識が甘すぎたようだ。この痺れるような痛みを、病気回復の証と自分に言い聞かせながら、仕事に打ち込むしかないと、覚悟を決めたところである。

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